ユーザーのリクエストに応じてアプリケーションサーバーに接続されたプリンターで印刷を行う利用例については、帳票のオンデマンド印刷の記事で紹介しました。しかし、印刷を行いたいという要件の中には、サーバーがクラウド環境にあり直接プリンターに出力できないケースや、ユーザー側のフロアや拠点が複数あってサーバー側ではプリンターを指定できないケースもあります。
この記事では、サーバー側ではなく、ユーザー側の環境にあるプリンターで印刷業務を行うための利用例を紹介します。Create!Form PrintStageWebを利用すると、サーバー側で生成した帳票の印刷データをWebクライアント環境に接続されたプリンターで印刷することができます。
【システム上での利用イメージ】
Webクライアントのユーザーからリクエストを受け、以下の流れで印刷処理を行います。
この方法では、サーバー側にCreate!Form PrintStageWebのランタイム、Webクライアント側に印刷実行用のモジュールCreate!Form PrintStageWeb Clientをインストールして、その両者が連携することで離れた環境での印刷を行います。印刷データの暗号化通信や、帳票定義のキャッシュをクライアント側に保持することによる処理の高速化など、安全で快適な印刷環境を構築することが可能です。
Webクライアント側の操作はWebブラウザーで行います。アプリケーションにCreate!Formを操作するための印刷ボタンや印刷設定ボタンを組み込んでいただくことで、アプリケーションのユーザーが機能を利用することができるようになります。
また、プリンターの選択やトレイ指定などの印刷設定をクライアント端末ごとに保持できますので、印刷時にはプレビューや印刷設定を都度行う必要もなく、印刷ボタンを押すだけでスムーズに印刷を実行することができます。
印刷設定などの詳しい内容については、機能の詳細記事をご覧ください。
なお、このWebクライアント印刷は、利用者を特定してそれぞれの印刷業務に適した環境を構築するための機能であり、クライアント端末にソフトウェアをセットアップすることが必須となっています。BtoC向けのアプリケーションなど不特定多数のWebクライアントで印刷を行いたい場合には、PDF帳票をダウンロードできるようにして、ユーザーが必要に応じて印刷を行う方法を推奨します。PDF帳票出力の適用モデルは以下の記事で紹介しています。