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自社ソリューションの帳票機能にCreate!Formを採用
開発負荷軽減と帳票修正対応の迅速化を実現しCS向上に貢献

株式会社鳥取県情報センター 様 クラウド システム組込 軽量PDF

写真左より、株式会社鳥取県情報センター
姫路支店 支店長 橋川 陽一氏
ソリューション推進部 マネージャー 小見山 知氏
ソリューション開発部 部長 岡垣 雄二氏

■業種
情報通信業

■事業内容
業務システム、自治体・学校向けソリューションの提供等

■適用業務
クラウドサービスからの帳票出力

■利用機能
統合帳票サーバー、PDF出力、Excel出力

  • ● 自社ソリューションにおける帳票機能の開発負荷が大きい
  • ● 帳票作成における開発スキルが属人化し、時間とコストがかかっていた

  • ● 帳票機能の開発工数が約50%削減し、開発スキルの平準化も実現
  • ● 従来4日程度かかっていた帳票修正が半日程度まで短縮され、顧客満足度の向上にもつながる

導入の背景
自社開発ソリューションの帳票機能の開発負荷増大化が課題に

株式会社鳥取県情報センター
姫路支店 支店長
橋川 陽一氏

鳥取県情報センターは、鳥取県および県内市町村の業務システム・情報通信インフラ構築・運用を通じ、組織のICT化を支援している情報システム企業である。これまでに培ってきた公共分野のノウハウを生かした事業を展開し、鳥取県外の自治体・学校にも事業範囲を拡大。さらに自社開発ソリューションの提供、自治体DXの実現に向けた支援事業などにも取り組み、自治体・学校に強みのある中立的な立場のシステムインテグレーション事業者として発展を続けている。

そんな鳥取県情報センターが提供する自社開発ソリューションの一つに「文書管理システム TOGIC(とじっく)」がある。これは地方自治体が保有する大量の文書を作成・保存・管理するシステムとして開発されたもので、2022年2月改正の「行政文書の管理に関するガイドライン」に則った文書作成・保存・管理機能、承認ワークフローを回すための電子決裁機能などが搭載されている。

「TOGICは、10年以上の運用実績があるソリューションです。市町村を対象にLGWAN-ASPサービスとして提供しており、自治体が必要とする最低限の機能実装に絞り込み、そのぶん小規模な自治体でも安価に導入・運用できることが大きな特徴です」(姫路支店 支店長 橋川 陽一氏)

一方、学校向けソリューションとして提供しているのが、給食費・徴収金管理システム「らくらくColleT(コレット)」だ。

「らくらくColleTは、給食費の公会計化対応、教材費、PTA会費といった学校徴収金をシステムで管理し、会計の透明化・徴収率向上を図る目的で開発したソリューションです。文部科学省の『学校給食費徴収・管理に関するガイドライン』に対応し、児童・生徒・教職員の喫食状況や給食費の納付状況などを管理できるという特徴があります」(橋川氏)

いずれの自社開発ソリューションに欠かせないのが、帳票作成・出力機能だ。

「自治体・学校向けソリューションにはPDFやExcel形式の帳票を作成・出力するニーズがあり、従来はその機能を社内でコーディングしていました。しかし、その負担は非常に大きく、開発スキルが属人化し時間もコストもかかるという課題に悩まされていました。そこで開発工数削減を目的に、外部ツールの導入を検討することにしました」(ソリューション開発部 部長 岡垣 雄二氏)

導入のポイント
スペックを問わない柔軟性や操作性などを要件にツールを選定

株式会社鳥取県情報センター
ソリューション開発部
部長
岡垣 雄二氏

鳥取県情報センターが帳票機能の役割を果たすツールの導入を検討し始めたのは、2020年のことだった。

「開発工数増大化の原因になっていた帳票機能をシステム本体から切り離せること、システム本体に影響を与えないこと、大量の帳票を出力する場合でもできる限り少ないリソース、および低スペックのインフラで稼働し、高速に処理できることなどを要件にツールの選定を進めました。また、帳票設計・作成がしやすい操作性も選定の要件になっています」(岡垣氏)

そうした選定作業の末に鳥取県情報センターが選定したのが、Create!Formだった。

「インフォテックに問い合わせをしてトライアル版を入手し、その機能や使用感を実際に確認したところ、当社の要件を十分に満たしていることが分かりました。対応するOSや開発言語も当社の開発環境に適合したこともあり、Create!Formを採用することに決めました」(岡垣氏)

Create!Formを導入した鳥取県情報センターは、システム本体から帳票機能を除くとともに、CSVの帳票データをエクスポートする機能を追加。そして、TOGICとらくらくColleTの新しいバージョンからCreate!Formの帳票機能に切り替えた。

「TOGICもらくらくColleTも、当初はPDF帳票が出力できればよいと考えていたのですが、お客様からはExcel形式の帳票を出力したいという声が上がったため、PDF出力用ランタイム『Create!Form Cast』とExcel出力用ランタイム『Create!Form Expage』を導入しました。ところが運用していくなかで、比較的規模の小さい自治体・学校では帳票機能のコスト負担が大きいという課題に直面しました。この課題を解決するために、2023年10月に統合帳票サーバー構築用API『Create!Form RemoteObject』を追加で導入しました。このAPIを活用することにより、規模の大きい自治体・学校向けにはお客様のサーバーごとにCreate!Formのランタイムを個別導入し、小さい自治体・学校向けには統合帳票サーバーの機能を共有する方式をとることにしました」(橋川氏)

Create!Formを使った帳票サーバーの利用イメージ

TOGICとらくらくColleTの帳票機能にCreate!Formを取り入れた

導入の効果
開発工数が全体の50%程度削減。帳票修正の迅速化がCS向上に寄与

株式会社鳥取県情報センター
ソリューション推進部
マネージャー
小見山 知氏

こうしてTOGICとらくらくColleTの帳票機能にCreate!Formを取り入れた鳥取県情報センターでは、導入前に目指していた開発工数の削減を達成するなど、さまざまな効果が得られているという。

 「現在までにTOGICが電子決裁関連の5種類、らくらくColleTが徴収金の納付書や督促状といった約40種類の帳票作成・出力にCreate!Formを利用しています。帳票デザインは従来をベースに新規に作り直しましたが、システム本体にプログラムを組み込んでいたときと比べ、開発工数全体を半分程度に削減できたと考えています。帳票の仕様を変更するたびに、システム本体に組み込まれた帳票機能を修正する必要もなくなりました。さらに、帳票機能を統一したことにより、開発担当者に求められるスキルを平準化するとともに、運用保守担当者でも帳票作成の業務を分担できるようになりました」(ソリューション推進部 マネージャー 小見山氏)

小見山氏によると、帳票修正のリクエストが上がってから対応を完了させるまでに従来は4日程度かかっていたものが、Create!Formによって半日程度で済むようになったとのことだ。結果的に自治体・学校からの要望を素早く対応できるようになり、顧客満足度(CS)の向上につながったという。

「開発工数が削減できたことでソリューションの事業採算性はこれから向上していくものと見ています。今後はその分をお客様に還元していけるのではないかと期待しています」(橋川氏)

今後の展望
他の自社開発ソリューションにもCreate!Formの適用を検討

今後、鳥取県情報センターでは、他のソリューションにも適用範囲を拡大していく予定だ。

「当社はLGWAN-ASPのサービスとして、自治体の業務アプリケーションをローコードで開発できるソリューションを提供しています。このソリューションには帳票機能がないので、このサービスもCreate!Formを適用する計画です。また、帳票機能が含まれる他のソリューションについても、順次適用していこうと考えています」(岡垣氏)

さらに鳥取県情報センターが個別に受託開発している業務システムにおいても、Create!Formを採用していく方針だという。将来的には鳥取県情報センターが開発・提供するあらゆるソリューション・サービスに、Create!Formが活用されていくことだろう。


※取材 2023年12月
※記載の担当部署は、取材時の組織名です。

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