「10年前から、パッケージソフトの帳票出力エンジンとしてCreate!Formを利用してきました。機能が優れているのはもちろんですが、支援体制が充実しているので、安心してお客様に提供できます」
(写真左より、株式会社アイネス 保険ビジネス第二部 第二課 アプリケーションスペシャリスト 齋藤 毅氏、萱原 直子氏、中村 龍則氏、保険ビジネス第二部 シニアアプリケーションスペシャリスト 仲 賢氏)
株式会社アイネス(以下、アイネス)では、保険・共済基幹業務システムソリューション「InsGrow(インスグロウ)」の帳票機能にCreate!Formのランタイム版を採用しています。その経緯とねらいについて、詳しく話を伺いました。
目次
本社所在地:東京都千代田区三番町26番地
設立:1964年7月28日
資本金:15,000百万円(2015年6月26日現在)
社員数:1,374人 (連結1,638人)
事業内容:情報処理・通信サービス、ソフトウェア開発サービス、システム提供サービス、その他システム関連サービス
創業1964年。「産業」、「金融」、「公共」の3つを軸に、幅広い分野におけるITコンサルから運用・保守に至るまで一貫したソリューションを提供。顧客の抱えるさまざまな課題を情報技術とサービスで解決している。1990年9月に東証第一部銘柄に指定。
※アライアンスパートナーは、Create!Formのアライアンスを提供する協業パッケージベンダー。製品連携の技術検証を行い、密接な協業連携のもとお客様へパッケージ製品を提案しています。
Create!Formを組み込んでいる保険・共済基幹業務システムソリューション「InsGrow」についてご紹介ください。
InsGrowは、少額短期保険事業者や共済組合における基幹業務と事務プロセスをシステム化するためのパッケージソフトを中心としたシステムソリューションです。
契約管理や保険料請求管理といったコア機能と関連業務を支援するサブシステムから構成されており、主な特徴は次の通りとなります。
図1.InsGrowの導入イメージ
InsGrowの強みとは。
損保業務に精通した専門家が設計・開発に深く携わってきました。これまで10年以上にわたってさまざまなお客様からの要望を取り入れながらバージョンアップを繰り返し、機能や使い勝手を向上させてきたことが、InsGrowの強みとなっており、完成度の高いソリューションとして信頼される礎となっていると考えています。
図2.InsGrowで出力される帳票の例
InsGrowの帳票出力エンジンとして、Create!Formを採用した背景を教えてください。
「あらゆるプリンターへと対応し、適正な価格でパッケージソフトを提供するために帳票出力エンジンは不可欠でした」(齋藤氏)
契約管理業務や保険料請求管理業務において、帳票出力機能は欠かすことができない重要な機能です。しかも、帳票の種類は、単票、連票、マルチフォームと多種多様で、どのようなプリンターでも正確かつ確実に印字できなければなりません。
ほかの業務も同様かもしれませんが、保険の契約や管理業務では、数字の桁数が正しく印字されなかったり、枠がズレたりすることは絶対に許されません。
しかし、自社でそのような帳票出力制御機能を開発して、さまざまな種類のメーカー、機種、プリンタードライバーで動作を確認するのには、膨大な手間と時間とコストが必要となります。
InsGrowの前身となるシステムは、メインフレーム環境で開発をしていましたので特定のプリンターをサポートしていれば良かったのですが、オープンな環境では「特定のプリンターやプリンタードライバーしかサポートしません」というわけにはいきません。また、帳票フォームを都度、ゼロから作るというのも現実的ではありませんでした。
将来登場するであろう製品も含め、あらゆるプリンターへと対応し、適正な価格でお客様にパッケージソフトを提供するために、帳票出力エンジンを組み込む必要がありました。
図3.insGrowのシステム図
「機能や品質、サポートを考慮し、 商用で提供されているエンジンの中から導入する製品を選びました」
(仲氏)
帳票出力エンジンは、どのように選定をしたのでしょうか。
当初は、ライセンス費用のかからない製品なども検討はしましたが、機能や品質、サポート等を考慮すると、やはり商用で提供されているエンジンを選ばざるを得ませんでした。
逆に、開発体制のしっかりしているメーカーのエンジンを採用することで、開発プロジェクトをメーカーに後押ししてもらえれば、InsGrowの機能や品質を高められるという期待もありました。
その上で、帳票出力エンジン自体の「機能」や「コストパフォーマンス」、「ライセンス体系」。それらに加えて、提供メーカーの「サポート体制や対応」なども選定の要件としました。
また、少額短期保険事業といっても、自動車保険なのか、火災保険なのか、商材によって帳票の種類や中身も変わってきます。地域性や事業者ごとに異なる帳票を使用します。その種類は少なくても100種類以上、多いときには200種類にもおよぶこともあります。そのため、「帳票の設計ツールの使いやすさ」も選定要件としました。
「帳票設計ツールはとても使いやすく 直感的に操作できます」(萱原氏)
Create!Formを採用した理由を教えてください。
最終的には、Create!Formともう1つの帳票出力エンジンとに絞り込み比較検討をしました。
帳票出力機能に関しては、機能面での大きな差は見受けられませんでしたが、一方、次のポイントに関しては、Create!Formのほうが優れていると判断して採用を決めました。
特に、「協力支援体制」という点に関しては、InsGrowの開発に関して積極的に対応 する姿勢をみせてくれました。実際、一定の期間、インフォテックのエンジニアの方に当社へ通っていただき、開発プロジェクトに参加してもらえたので、帳票出力機能に関してはスムーズに開発を進めることができました。
InsGrowをリリースされたのが2006年になるかと思います。当時はCreate!Form のバージョンも「V7」で、現在は「V10」を提供していますが、当然、この10年間で InsGrowも改訂やバージョンアップを繰り返してきたと思います。その際に、帳票出力エンジンを変更しようと考えたことはなかったのでしょうか。
「インフォテックは、時にはプリンターメーカーと交渉をして、稼働検証などをサポートしてくれます」(中村氏)
結論から言えば、帳票出力エンジンの変更を検討したことはありませんでした。
その背景には大きく2つの理由が挙げられます。第一の理由は「資産の保護」です。
ここで言う資産とは、お客様と当社、2種類の資産が該当します。お客様の資産とは、「帳票フォーム」です。仮に帳票出力エンジンを変更した場合は、帳票フォームをすべて作り直さなければならなくなり、お客様にご負担とご迷惑をかけることになります。
そして、帳票出力エンジンを変えるということは、当社のプログラムにも大幅な変更や稼働確認作業が必要となります。Create!Formの場合は各バージョンのサポート期間が10年と長く、また、基本的に旧バージョンで開発した機能や帳票データは互換性が確保されているので、安心して使い続けることができます。
そして、第二の理由としては「サポート」が挙げられます。初期の開発が終了した後も、いろいろと相談に乗ってもらったり、助けてもらったりしましたが、それだけでなく、特定のプリンターや機種で問題が発生したときや、お客様の都合でこれまで稼働実績のないプリンターを使用する場合なども、プリンターメーカーと交渉をして検証や不具合の回避策を提案してもらえるので、とても助かります。
インフォテックに対する評価や期待などがあれば教えてください。
これまで話をしてきた内容と重なる部分もあるかもしれませんが、インフォテックは単に製品を提供するだけでなく、お客様や当社がCreate!Formを使いこなせるよう積極的に支援してくれます。それは、機能や開発という面だけに限りません。
たとえば、ライセンス体系に関する対応なども、お客様や当社の要望に柔軟に対応してもらえるので、とても助かっています。近年は、クラウドサービスや仮想化といった新しい形のインフラ上でシステムを運用したいというお客様も増えており、これまでと変わらず相談に乗ってもらえればうれしく思います。
インフォテックは、欠かすことのできないビジネスパートナーです。これからも、よろしくお願いいたします。
※取材日時 2015年11月