「Create!Formを採用することで、帳票フォームなど過去資産の互換性とライセンスコストに関する課題をクリアすることができました」
(写真右よりワム・システム・デザイン株式会社 アプリケーション開発チーム ディレクター 岡 聰一氏、SC室 主任 島田 達也氏)
ワム・システム・デザイン株式会社(以下、ワム・システム・デザイン)では、同社が開発・提供する倉庫管理システム(WMS:Warehouse Management System)「蔵スター」の帳票機能として、Create!Formを採用しています。その経緯とねらいについて、詳しく話を伺いました。
目次
本社所在地:大阪市浪速区難波中1丁目13番17号 ナンバ辻本ニッセイビル2F
設立:1989年3月29日
資本金:20,000千円
事業内容:カラーコードおよび、物流業界向けパッケージソフトの開発・販売・保守
物流システム構築を専門とするソフト開発ベンダー。倉庫管理システム「蔵スター」や実稼働管理システム「popData+」をはじめ、次世代カラーバーコード「カメレオンコード」を利用した位置検索システムシリーズ「Hito-Locate」、「Cargo-Locate」など、顧客のニーズと環境に合わせたシステムを提供。経営改革につながるロジスティクスの最適化と効率化を実現している。
※ワム・システム・デザイン株式会社は、Create!Formのアライアンスを提供する協業パッケージベンダーです。製品連携の技術検証を行い、密接な協業連携のもとお客様へパッケージ製品を提案しています。
※カメレオンコードは、株式会社シフトの登録商標です。
Create!Formを組み込んでいる倉庫管理システム「蔵スター」についてご紹介ください。
蔵スターは、入出庫管理、在庫管理、ロケーション管理、ロット管理など必要なプログラムモジュールを組み合わせて、お客様のニーズと環境に合わせた物流管理システムを実現するパッケージシステムです。
一般的なパッケージ型の倉庫管理システムはカスタマイズが必要になるケースが多いのですが、蔵スターの場合は、現場の要望を聞いて必要なコンポーネントを組み合わせて構築するので、無駄を省き、お客様ごとに最適な価格と機能を実現できるのが特徴です。
大手外食チェーンをはじめ、製造業、流通業、出版業、印刷業、アパレル、医薬医療、倉庫業、運輸業など、さまざまな業種や業態に対応したテンプレートを用意しているので、手間とコストを削減し、短納期での導入が可能です。また、このような幅広い業種での導入実績を信頼いただき、蔵スターを採用いただくケースも少なくありません。
また、機器メーカーを問わず多彩な物流機器(ハンディターミナルなど)を制御・連携できる点もお客様から高く評価いただいています。
「帳票出力エンジンは、重要なコンポーネントの1つだからこそ、優れた外部エンジンの活用するというのが当社の方針です」
(アプリケーション開発チーム ディレクター 岡 聰一氏)
蔵スターの帳票出力エンジンとして、Create!Formを採用した経緯を教えてください。
Create!Formを採用する以前は、別の帳票出力エンジンを蔵スターに組み込んで販売してきました。これまで機能面で大きな問題はなかったのですが、そのエンジンがバージョンアップをした際、旧バージョンで作成した帳票関連資産と互換性が取れなくなってしまいました。
また、旧エンジンはライセンス費用が高価だったので、その分をお客様にご負担いただかなければならない状況もありました。
そのため、蔵スターの新しいバージョンを開発するにあたり、いずれにせよシステムの改修が必要なのであれば、一度、ゼロベースで帳票出力エンジンを見直そうということになりました。
帳票出力エンジンを自社で開発するという発想はなかったのでしょうか。
倉庫の現場では、近年ペーパーレス化が進んでいますが、作業指示書や入力・実績に関するチェックシート、封入用の伝票、宛名ラベルなど、多種多様な帳票の出力が必要となります。
その出力環境は多種多様で、レーザープリンターや複合機はもちろん、複写用紙を印字する際のドットインパクトプリンターなどを利用する場合もあります。また、最新の機種のみならず既存の資産(プリンター)を有効活用しなければならない場面も少なくありません。
そのような状況に対応可能な帳票出力エンジンを自社で開発するのは現実的な選択肢ではありません。倉庫管理システムにとって帳票出力エンジンは、重要かつ欠かすことのできないコンポーネントの1つだからこそ、優れた外部エンジンを活用するというのが当社の方針です。
「使い勝手、信頼性、コスト、互換性などを要件に、採用する帳票出力エンジンを選定しました」
(SC室 主任 島田 達也氏)
帳票出力エンジンを見直したときの要件を教えてください。
まず、「帳票出力エンジンとしての使いやすさ」と「帳票フォームの作りやすさと修正のしやすさ」、「対応するプリンターの種類」は、基本的な要件ポイントとなりました。
また、「システムとしての信頼性」と「帳票出力の信頼性」も重要な選定ポイントでした。
加えて、Delphiによる開発環境に対応していること。そして、帳票出力エンジンを見直すきっかけとなった「ライセンスコスト」と「互換性」も考慮して選定をしました。
「システムとしての信頼性」と「帳票出力の信頼性」について、詳しく教えてください。
「システムとしての信頼性」は、可用性と言い換えることができます。お客様の現場で帳票が出力できなくなってしまうと業務が止まってしまうので、大量かつ多様な出力処理に対しても安定的に稼働するエンジンである必要があります。
「帳票出力の信頼性」とは、言い換えれば正しく帳票が出力される精度です。たとえば、数量が枠から外れて表示されれば大きなトラブルにつながりますし、バーコードの読み取りがエラーとなれば正常な業務ができなくなります。このようなトラブルはお客様からの信頼性を損なう要因ともなりますし、トラブルを解決するための手間や時間はないに越したことはありません。
Create!Formを採用した理由を教えてください。
いくつかの帳票出力エンジンをピックアップして、まずはライセンスコストで絞り込みました。コストが上がってしまうと、新しい帳票出力エンジンを採用する意味が半減してしまうからです。その上で、試用版を入手して実際の使い勝手を確認しました。
Create!Formに関しては、「組み込みのしやすさ」と「帳票フォームの作りやすさ」、「互換性」、「導入実績の豊富なところ」を評価して採用を決めました。各採用ポイントの詳細は次の通りです。
蔵スターのプログラム本体からコマンドを呼び出し、必要なデータをパラメーターで設定すれば、あとはCreate!Formのサーバー側でPDFや印刷データを生成してくれます。このような組み込みのしやすさが、Create!Formを採用する第一のポイントとなりました。
帳票フォームの作りやすさや修正のしやすさは、実際に操作をするとすぐに実感できました。これまで作成してきた帳票フォームで置き換え(再現)できない機能はないことも確認して採用を決めました。
システムのバージョンや機能が上がっても帳票フォームの互換性を保つことがCreate!Formの基本コンセプトとなっているので、安心して使い続けることができると考えました。また、サポート期間も10年間と長いので、お客様にも安心してご利用いただけると考えました。
歴史が古く、システム製品としてもランタイム製品としても導入実績が豊富なので、安定性や信頼性が高く、幅広いメーカーや機種のプリンターをサポートしていることも評価のポイントでした。
システムイメージ図
Create!Formを組み込んだ評価などがあれば教えてください。
組み込みが容易で、本体と独立して帳票出力機能を制御できるので 、旧帳票出力エンジンからの移行にかかる手間も最小限に抑えることができました。これまでは、独自にミドルウェアを開発して蔵スターのプログラム本体に印刷機能を組み込んでいましたが、そのような対応も必要ありませんでした。
機能面ではPDFの制御に優れている点を評価しています。クライアント端末から印刷作業をする際のプレビューとしてPDFを使ったり、ハンディターミナルなどの端末で処理したデータをCreate!Formサーバー側で一括処理して容易に帳票を出力できるので、出力機能の充実を図ることができます。また、PDFの生成速度が速いことも高く評価しています。
インフォテックのサポート体制に対する評価はいかがですか。
基本的な使い方や設定方法で苦労したことはほとんどありませんが、使い始めの段階では、いろいろな質問や問い合わせをさせてもらいました。その際、丁寧かつ的確に対応してもらえたのでとても助かりました。
インフォテックに対しての要望や期待があればお聞かせください。
お客様に蔵スターを紹介する際に、帳票出力エンジンとしてCreate!Formを組み込んでいることを説明する機会も多いのですが、専門的な商品であることもあり、お客様における認知度は物足りないところもあります。今後、Create!Formを組み込んでいることが蔵スターの評価の向上にもつながるよう、さらに知名度や機能を向上させてください。Create!Formにはそれだけの価値があると思います。
今後も互換性を失うことなく、帳票出力エンジンとして機能の充実と使い勝手の向上に期待しています。
※取材日 2015年10月
※記載の担当部署は、取材時の組織名です。