お問い合わせ

助成金申請サービスの帳票機能にCreate!Formを採用
数千種類の申請書フォームを実装し、顧客ニーズにも対応

株式会社ホロンシステム 様 クラウド 軽量PDF

写真左より、株式会社ホロンシステム
サービス事業本部 B2C事業部 クラウドサービスビジネス部 サブリーダー 杉 佳祐氏
サービス事業本部 B2C事業部 クラウドサービスビジネス部 サブリーダー 辻 匠氏

■業種
情報通信業

■事業内容
ソフトウェアの受託開発、クラウドビジネス等

■適用業務
クラウドサービスからの帳票出力

■利用機能
HTML出力、PDF出力

  • ● 既存ツールのパフォーマンス不足により、帳票作成作業の応答に遅延が発生
  • ● 数千種類に及ぶ申請書が存在し、申請様式のフォーム作成に多大な工数がかかる

  • ● 遅延なく帳票フォームの作成や帳票出力処理を実行できる環境を実現
  • ● フォーム作成作業の高速化により申請書の種類が増加し、顧客満足度の向上に貢献

導入の背景
既存ツールの性能不足により、申請様式作成の動作が不安定に

株式会社ホロンシステム
サービス事業本部 B2C事業部
クラウドサービスビジネス部
サブリーダー
辻 匠氏

2023年に創業35年を迎えたホロンシステムは、金融・リースをはじめ製造・小売など様々な業界向けに受託システム開発を担い、発展してきた独立系システムインテグレーターだ。近年はAI・ビッグデータなど最先端技術を取り入れたサービス、ネット通販やクラウドサービスの提供など新しい事業分野の開拓を積極的に推進している。

ホロンシステムが注力する事業の一つに「助成金クラウド」がある。これは厚生労働省の助成金制度を利用する中小企業が申請書作成をクラウド上で簡単に行えるというサービスであり、2020年2月に提供を開始したものだ。

「助成金を申請するには、厚生労働省が定めるWordやExcel、PDFの様式に入力して申請書を作成しなければならず、その手間と労力は企業の負担になっていました。助成金クラウドはそうした負担を軽減するとともに、不支給の要因となる入力ミスや抜け漏れのような申請書上の不備を未然に防止するサービスです」(辻氏)

辻氏によると、雇用関係助成金だけで約100種類、各助成金専用で用意されている様式は数千種類にも及ぶそうだ。新しい制度の施行や法改正のタイミングで申請様式が変更されることもあり、それを確認するだけでも大変な作業だ。助成金クラウドを利用すれば、そうした企業の作業負荷を軽減するだけでなく、自社に適用できる助成金を見つけてそのままスムーズに申請書を作成したり、助成金の申請・受給状況を管理したりできる。

ホロンシステムでは、2018年から助成金クラウドの企画・開発を開始し、その際に申請書作成とワークフローの仕組みが一つになった他社の帳票ソリューションを導入したが、パフォーマンス面で課題が生じることになったという。

「少ない工数で高機能なクラウドサービスを実現できるというメリットによりオールインワンパッケージを採用したのですが、サービスの開始直後にコロナ禍が始まって申し込みが殺到したこともあり、申請書作成ツールのパフォーマンスに課題が生じました。帳票ソリューションの事業者側でもサーバー増強などの対応を進めましたが、パフォーマンスが改善することはありませんでした」(杉氏)

導入のポイント
申請様式の再現性と、フォーム作成の工数削減が決め手に

株式会社ホロンシステム
サービス事業本部 B2C事業部
クラウドサービスビジネス部
サブリーダー
杉 佳祐氏

そこでホロンシステムでは、申請書作成ツールとして利用する帳票ソリューションの入れ替えを検討することにした。

「当初採用した帳票ソリューションでは、ワークフロー機能を使って申請書類作成・承認プロセスの管理を行っていましたが、その部分は助成金クラウドの大型アップデートに合わせて自社で作り直すことにしました。一方で帳票の作成・出力機能については、別の帳票ソリューションを採用することとし、改めて複数の候補製品を挙げて比較検討を行いました」(辻氏)

様々な製品での比較検討を経てホロンシステムが採用したのは、Create!Formだった。

「出力様式のイメージそのままでお客様が記入できるというのが、助成金クラウドの特長です。新たな帳票ソリューションを導入するにあたっては、厚生労働省が提供する申請書の様式を忠実に再現した帳票フォームを生成できることと、それを自社で開発するWebアプリケーションに組み込めることが要件でした。」(杉氏)

そして2021年1月にホロンシステムは、デモ版を使ったPoC(概念実証)を実施した。

「フォームを作成する際の工数削減が可能かどうかも選定のポイントになりました。帳票設計開発を行うCreate!Form Designはデスクトップアプリなので、旧システムで課題となっていた帳票作成作業におけるレイテンシーの問題を解消できます。操作性もよく、より速く多くの申請様式を作成できる手応えを感じました。」(辻氏)

導入の効果
フォーム作成の時短効果により、申請書の対応範囲が拡大し顧客獲得に

こうしてホロンシステムは、助成金クラウドの大型アップデートに向け、2021年7月にCreate!Formのライセンス契約を締結し、2022年1月にCreate!Formを組み込んだサービスをリリースした。

「帳票出力機能については、Create!Formで生成したHTML帳票をWebアプリケーションに組み込み入力フォームとしています。帳票内にJavascriptを埋め込みHTMLを動的に操作することで、UI設計の自由度も上がり、期待通りの機能を実現できました。また、入力結果などの情報や様式をそのまま提出用のPDFに変換する処理もCreate!Formで行っています。合わせて、申請書の入力データをどのような形式でデータベースに格納するか、どうやって呼び出すかといった検討も行いながら新システムの実装を進めました。ただし、この間も従来のシステムが並行稼働しているので、リリースまでの約半年間は開発・運用が二重に発生している状態でした。こうした苦労を乗り越え、なんとか予定通りのリリースに漕ぎ着けました」(杉氏)

Create!Form で出力したHTML帳票を入力フォームに埋め込み

Create!Form で出力したHTML帳票を入力フォームに埋め込み

新しいサービスの運用開始後は、Create!Formを導入したことによる様々な効果が得られているという。

「Create!Formを採用した狙いの一つに、申請書のフォーム作成を担当するエンジニアの工数を削減することにありましたが、この部分は従来の帳票ソリューションに比べて大幅に時間を短縮するという効果が得られています。課題だったパフォーマンスも大きく改善され、作業中の応答に遅延が発生するようなことはなくなりました。従来は複数の申請様式からなるフォームを作成するのに約半月ほど要することがありましたが、いまは3日~1週間程度で終わるなど、作業効率が大幅に向上したことを実感しています」(杉氏)

「お客様にとっての効果は、利用可能な申請書の幅が広がったことです。とくに社会保険労務士のお客様からは、例えば労働条件通知書や派遣事業の許可申請や報告書、障害年金の請求書といった助成金以外の申請様式に対応できないかという要望が多く寄せられていました。そうした要望に応える形でサービスを拡充できたことも、Create!Formの大きな導入効果です」(辻氏)

今後の展望
あらゆる顧客ニーズに応えるべく、さらなるアップデートを検討

助成金クラウドにCreate!Formが導入されてからおよそ1年半が経過した現在、ホロンシステムは更なるサービス改善に向けた取り組みを進めようとしている。

「お客様に提供している現在の申請書作成環境については、満足できていない部分もあります。実はお客様の要望は非常に高く、例えばお客様自身で申請書のフォームや文字のサイズを自由に変更したいといった意見も寄せられています。そうしたお客様が求める声に応えながら、究極のサービスを目指してバージョンアップに取り組んでいこうと考えています」(辻氏)

一方で2023年度からは助成金の電子申請が段階的に始まっており、Create!Form上で入力したデータを電子政府にAPI連携により直接送信できるようにするといったデータ連携のニーズも高まっているという。こうした仕組みの実現を視野に入れた機能強化も進めているそうだ。


※取材 2023年8月
※記載の担当部署は、取材時の組織名です。

PDF版(印刷用)をダウンロード

導入事例TOPに戻る