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独自設計の「学修履歴証明書」により、学びの見える化を推進
多角的な学修成果を一枚の帳票でグラフィカルに表現

学校法人広島文化学園 様 帳票サーバー 帳票デザイン グラフ・チャート

hbg-top.jpg 写真左より、学校法人広島文化学園 システム開発管理センター 室長 黒木 拓也氏、
広島文化学園大学・短期大学 学長 坂越 正樹氏、システム開発管理センター長 岡 隆光氏

■業種
教育

■事業内容
大学、大学院、短期大学

■適用業務
学修履歴証明書の設計・出力

■利用機能
グラフ、PDF出力、ノンコーディング帳票システム

導入前の課題
  • ● 可視化が難しい学修成果まで表現できる、学修履歴証明書の作成が求められていた
  • ● コストを抑えながら、大学職員が容易に開発できる帳票システムが必要だった

導入後の効果
  • ● グラフや表を駆使して、思い描いていたデザインの学修履歴証明書が作成できた
  • ● 構成がわかりやすく、学内の他業務にも利活用が可能な帳票システムが整備された

導入の背景
知識、スキル、人間性、成績など「学びの見える化」が求められる

学校法人広島文化学園
広島文化学園大学・短期大学 学長
坂越 正樹氏

広島文化学園大学・短期大学は、看護学部看護学科、学芸学部子ども学科・音楽学科、人間健康学部スポーツ健康福祉学科など大学4学部6学科、大学院2研究科2専攻、短期大学3学科を有する総合大学。建学の精神「究理実践」に基づいた「対話の教育」「嚶鳴教育」により、地域社会の発展に貢献する有為な人材育成に取り組んでいる。2020年から始まった5カ年の中期経営計画では、「SMILE 人に笑顔を、自分に笑顔を。」を学園ブランドメッセージに、「対人援助力」を持ち備えた人材育成に注力していく方向性を明確に示した。

「本学の教育方針は、学生の主体的な学びを推進する『学習者中心の教育』にあります。一人ひとりの夢や希望を実現するために必要な『人間力』『専門力』『キャリア形成力』の3つの力を身に付けることのできる教育課程・カリキュラムの編成を行っています。また、課外活動やボランティア活動を通じた学びを重視しているところも特長です」(学長 坂越 正樹氏)

しかしながら授業科目の成績以外に、学生がどのような知識やスキル、人間性を身に付けて成長したのかを表すことは難しい。そこで2013年度に、自己点検・評価を通して学生の夢の実現を支援する「HBG夢カルテ」を含む学修ポートフォリオのシステムを構築。学生の基本情報、授業の出欠状況、就職活動状況、資格取得状況などを記録・閲覧できる仕組みを導入した。

「学修ポートフォリオのさらなる取り組みとして、2019年度に導入を決定したのが『学修履歴証明書』です。この証明書は、学生が在学中にどんな力を身に付け、どのような人物に成長したのか、大学生活を振り返ってもらおうというものです」(坂越氏)

導入のポイント
大学職員でも帳票開発が可能な、分かりやすさと操作性

学校法人広島文化学園
システム開発管理センター長
岡 隆光氏

広島文化学園は、「教育の質の保証プロジェクト会議」を設置し、全学的な教育改革を進めている。学修履歴証明書については、システム開発管理センター長の岡 隆光氏が主導するワーキンググループで具体的な施策を検討することになった。2019年1月に学修履歴証明書の作成がプロジェクト会議で決定すると、開発に向けた活動を開始。

「学修履歴証明書は、学生の単位取得状況やディプロマポリシー(学位授与方針)の達成度を表記するために、学務システムのデータが取り込める帳票として開発する必要がありました。本学の学務システムはスクラッチで構築したものであり、当初は学修履歴証明書の帳票もスクラッチで開発する計画でした」(岡氏)

ところが、新たな帳票を開発するには課題があったという。

「帳票の新規開発をシステムベンダーに委託すると、軽微なフォーマット変更を行うのにも高額な費用がかかります。コストを抑えるとともに、学修履歴証明書の表現力を高めていくには、大学職員が容易に開発できる帳票システムが必要でした」(岡氏)

そこでシステム開発管理センターでは、室長の黒木 拓也氏が中心となって学修履歴証明書の作成に最適な帳票システムを探すことにした。インターネット上で帳票システムを調査し、複数の候補製品を挙げて入念に比較検討を実施。選定したのが、インフォテックの「Create!Form」だった。

「製品の比較検討は、第一にシンプルで理解しやすい帳票システムであること、第二に特別な知識がなくても帳票開発が可能であること、第三に大学で運用している他業務にも利活用が可能なことを重点に行いました。その結果、学務システムへ直接組み込みをすることなくデータを連携するだけで帳票生成ができ、帳票設計ツールの操作もしやすいと感じたのが、Create!Formでした。これならシステムベンダーに帳票の作成を依頼しなくても、大学職員が問題なく開発できると判断し、導入を決めました」(黒木氏)

導入の効果
思い描いていたデザインの帳票が、容易かつスピーディに完成

学校法人広島文化学園
システム開発管理センター 室長
黒木 拓也氏

Create!Formの導入を決定したのは、2019年3月のことだった。

「まずは学修成果をどのように可視化するのか検討し、他大学の取り組みを分析・参考にしながら証明書に必要な要素を洗い出すことから始めました。さらに要素を具体的な数値で表現するために必要なデータ収集方法を検討しました。最後に学生本人の自己分析を合わせ、学生にとって利用価値の高い証明書を目指しました」(黒木氏)

8月にインフォテックと契約を交わし、Create!Formを導入。待ち受けフォルダーにデータファイルを投入するだけで帳票が出力できるシステム環境を構築した。そして12月に正規のフォーマットを完成させ、2020年3月に初年度の学修履歴証明書が完成した。学修履歴証明書は、2019年度の卒業生に卒業証書とともに配布された。

「最大の導入効果は、思い描いていたデザインの学修履歴証明書が作成できたことです。学業の成績が学年別・科目別に可視化されているだけでなく、ジェネリックスキルの成長度、ディプロマポリシーの達成度、学生による自己評価を一覧できるようになっています」(岡氏)

坂越氏も、学修履歴証明書の出来映えを高く評価する。

「学生が自己の成長を確認できるとともに、就職活動における自己アピールの資料としても大いに役立つものが完成したと考えています」(坂越氏)

広島文化学園が作成した「学修履歴証明書」(サンプル)

今後の展望
学修履歴証明書以外の帳票作成への適用も視野に

 2019年度は卒業生に配布するだけにとどまった学修履歴証明書だが、2020年度は卒業生だけでなく、就職活動に取り組む3年生にも配布を予定しているという。

「初年度についてはシンプルな作業を優先しましたが、次年度以降はさらに使いやすい証明書を目指して改良を加えていきたいと思います。なお、帳票に差し込むデータが変更される可能性も考慮した帳票設計にしています」(黒木氏)

Create!Formの導入によって帳票を容易に作成できるシステム環境が整備されたことを受け、学修履歴証明書以外の帳票にもCreate!Formの適用を検討しているという。

「教務システムでは様々な種類の帳票を出力していますが、帳票にかかるコスト削減とメンテナンスしやすさを考慮し、Create!Formへ段階的に移行していくことも視野に入れています。帳票を自分たちの手でデザインする中で、今あるデータをどのように見せれば、より説得力があり利用価値の高いものになるかを模索していこうと考えています」(岡氏)


※取材 2020年10月
※記載の担当部署は、取材時の組織名です。

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