帳票ツールとは?【帳票の基礎知識】

帳票ツールとは

帳票ツールは、システム開発における帳票設計、帳票出力の工程を効率良く作業するためのソフトウェアやサービスです。「帳票開発ツール」「帳票設計ツール」「帳票作成ツール」などとも呼ばれています。
帳票開発で発生する様々な課題を解決し、最小工数で思い通りの帳票を出力する支援を行います。

帳票レイアウトをノンプログラミングで設計し、データソース(テキスト、CSV、XML、DBなど)との紐付けを行い、PDF、HTML、Excelへのファイル出力、各種プリンターへの印刷など様々な業務要件に合ったフォーマット形式でアウトプットするまでの一連の業務処理を担います。

帳票ツールの役割‐システム開発における帳票開発を強力にサポート

帳票開発・メンテナンスが簡単

帳票ツールのレイアウト設計はGUI画面上でのマウス操作が基本なので、システム知識がなくても完成イメージを見ながら表現力の高いレイアウトを作成することができます。デザイン修正や追加が必要な場合も自社内での作業が簡単に行えるのが特長です。

また、システム本体と切り離された環境で帳票設計・帳票開発が可能です。メンテナンスが発生した際にも稼働中のシステムへの影響は最小限に抑え、別プロセスで効率良く作業を進めることができます。

大規模システムにおける対応

大規模なシステムが抱える課題にも、帳票ツールでは速度と安定性を保った帳票出力処理を実行することができます。

大量出力時の処理速度

印刷の場合は、帳票印刷データを高速に生成することで、プリンターの印刷処理速度を低下させることなく高速印刷が可能です。PDFファイルへの出力の場合も、帳票生成時に軽量化し、大量なページ数でも安定して高速出力することが可能です。

バッチ処理

外部システムから出力されたデータを利用し、バッチ処理が可能な帳票出力環境を構築することができます。 膨大なデータ量を扱うジョブ実行においても、システムに負荷のかからない業務時間外でのスケジュール設定でパフォーマンス維持に貢献します。

出力エラー発生時の対応

帳票の出力時にエラーが発生した際はメールなどでの通知や、実行プリンターの制御が可能です。 帳票ツールが様々な環境の変化に対応することで、システム本体の生産性を高めることに貢献します。

環境の変化への順応

帳票出力環境のオープン化

稼働中の汎用機のプログラムを停止せずにスムーズにオープンシステムへ移行することができます。さらに、汎用のオフィス用プリンターからの印刷のみならずPDFやExcel形式の帳票出力やHTMLページ表示、メール配信、FAX配信といったアウトプットの多様化を実現します。

Web APIによる他システムへの連携

Web APIを利用して他システムと連携した帳票出力環境を構築することができます。 AWSやAzureをはじめとしたクラウド環境上で運用している業務システムやクラウドサービスからもファイル形式の出力やオンプレミス環境のプリンター印刷、Webクライアント印刷など柔軟な出力要件に対応します。

各種デバイスへの出力対応

スマートフォンやタブレットの登場により、PC以外でも帳票の利用シーンが拡大しています。Web経由の入力作業や、ページ数が多い文書表示時のストレスを解消するため拡大縮小やページ送り機能を付加するなどスマートデバイスならではの制御方法に対応し、直感的な操作でユーザーの利便性向上につなげています。

よくあるご質問

Q.帳票ツールを導入する最大のメリットは何ですか?

A.

「開発効率の向上」と「運用保守の容易さ」です。

プログラミングで1本ずつ線を引くスクラッチ開発とは異なり、GUI(グラフィカルな画面)で直感的にデザインできるため、設計時間を大幅に短縮できます。

また、システム本体と帳票レイアウトを切り離して管理できるため、システム改修時の影響範囲を最小限に抑えられます。

Q.Excel や Word で帳票を作る場合と何が違いますか?

A.

「自動化」と「処理能力」が決定的に異なります。

Excel等は手作業での作成や小規模な印刷に向いていますが、帳票ツールはシステムデータ(CSVやDB)を連携させ、何千・何万枚もの帳票を一括で自動生成することに特化しています。また、PDFやHTMLなど複数の形式へ同時に出力できる点も強みです。

Q.大量の帳票を出力する業務でも帳票ツールは有効ですか?

A.

はい。帳票ツールは専用の出力エンジンを備えており、大量帳票のバッチ処理や高頻度の出力処理を安定して行えるよう設計されています。

アプリケーション側の負荷を軽減できるため、基幹システムなど大規模な環境でも有効です。

Q.システムのオープン化やクラウド移行に役立ちますか?

A.

非常に役立ちます。
メインフレームからオープン系サーバーへ移行する際や、オンプレミスからクラウド(AWS/Azure等)へ移行する際も、Create!Formなどの帳票ツールを利用していれば、帳票資産(レイアウトデータ)をそのまま新しい環境で使い回すことができます。
これにより、移行コストとリスクを低減できます。

ただし、帳票レイアウトや帳票資源をどこまで移行できるかはツールごとに仕様が異なります。移行に際しては、出力エンジンの構成や帳票資源の互換性を事前に確認することが重要です。

Q.帳票ツールと帳票クラウドサービスの違いは何ですか?

A.

帳票ツールは、オンプレミスや自社クラウドに組み込んで利用する方式で、アプリケーション内部から直接帳票を生成します。

一方、帳票クラウドサービスは、帳票出力環境をクラウド側に置き、WebAPI を通じて帳票を生成する方式です。サーバー構築が不要で、疎結合なシステム構成を実現できます。

Create!Formシリーズでは、利用目的に応じて次の選択肢があります。

帳票ツール
Create!Formとは?

帳票クラウドサービス
Create!Form Cloudとは?

ダウンロード