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SOA技術を本格的に利用したヒューマンワークフローシステムの開発に成功

Create!Form事例:セガ

ゲーム機大手のセガでは、このたびSOA技術を本格的に利用したヒューマンワークフローシステムの開発に成功しました。このシステムに組み込む帳票ツールは迷わずCreate!Formを採用したとのことです。その理由とは?同社情報システム部松田部長、システム開発チームマネージャー大野氏に詳しく伺いました。

目次

  1. セガについて
  2. セガはCreate!Formをどのように使っているか
  3. Create!Formを使ったシステムの概要
  4. セガがSOA技術を取り入れた開発を行うようになった理由
  5. なぜCreate!Formを採用したか
  6. SOAでのシステム開発における帳票ツールの要件
  7. Create!Formを評価する点
  8. SOAを使った開発を成功させる秘訣とは
  9. インフォテックへの評価
  10. 今後の期待

セガについて

セガの事業概要についてお聞かせ下さい。

セガの事業領域は「アミューズメント施設向けゲーム機の製造販売」「アミューズメント施設運営」「家庭用ゲームソフトの開発・販売」の3つで、それぞれの領域のバランスを取りながら時流の変化に合わせた新しいコンテンツで感動溢れるエンタテインメントを提供することをミッションとしています。

アミューズメント業界は流れが早く、新しい遊びの潮流が次々と生まれます。たとえばセガ最近のヒット作「甲虫王者ムシキング」などは、「小学生層を対象にカードを使って遊ぶ」という新しい遊びのジャンルを確立するまでにわずか2年ほどしかかかっていません。「あるジャンルにおける1コンテンツずつの開発」というよりは、「ジャンルごと開発する」というスピードと勢いを持って、セガでは日々チャレンジを続けています。

開発のスピードに合わせて経営もスピード感が必要になります。そしてそれを支えるシステムを担当する私たち情報システム部も、同様にスピードが求められています。

セガはCreate!Formをどのように使っているか

セガでは「Create!Form」をどのようにお使いですか。

セガでは業務システムの新たな試みとして、SOA(サービス指向アーキテクチャ)に基づいた「請求支払い業務のワークフローシステム」を開発し、2007年12月から稼働を開始しました。Create!Formは、このシステムにおける帳票ツールとして組み入れ、支払伝票のPDF出力に活用しています。

Create!Form事例:セガ

Create!Formを使ったシステムの概要

Create!Formを組み入れた「請求支払い業務のワークフローシステム」の概要をお聞かせください。

セガではこれまでもIIS(ASP)を使って手組みで開発したワークフローが30以上あったのですが、今回は全く新しいインフラ環境を利用して「請求支払い業務」についてのワークフローシステムを開発いたしました。ビジネスプロセスの定義は標準言語である「BPEL」を使用し、SOA開発基盤を利用して、将来的にSOA化されたシステムを増やしていくことが可能となるようなストーリーも意識して導入しました。

また、それまで稼働していた既存のワークフローをラッピングし、一つのサービスとしてメニューに組み込んでいます。これによりユーザーに負担をかけることなく新システムと旧システムを地続きで使用することに成功しています。

SOAが話題になってから既に久しく、現在は「実験期」を終え「初期普及期」に入っていると感じています。しかし人と人のフローを処理する「ヒューマンワークフロー」においては、まだまだ実験期であることから、今回のシステムは、この分野における国内初めての本格的なSOAによる開発という点を評価いただき、「日経コンピュータ」が開催する「IT Japan Award 2008」の特別賞に選ばれました。

セガがSOA技術を取り入れた開発を行うようになった理由

セガがSOA技術を利用して開発を行うようになった経緯をお聞かせください。

冒頭にも述べた通り、経営スピードの速いセガでは新事業部の立ち上げや組織改編が頻繁に起きるため、そこに少しでも俊敏に対応できるシステムが求められています。そのため、従来のようにシステム機能ががんじがらめに絡み合ったりしない疎結合のサービスで構成されるシステムが実現できるSOA技術に早くから着目、研究を行ってきました。SOA技術によってシステムの俊敏性や柔軟性が高まれば生産性が上がり、企業全体でのメリットが期待できます。

とはいえ、最初から全社的にSOA化をすることは予算取りを考えると現実的ではありません。どうしたものかと考えていた時、今回の支払いワークフローシステム構築のニーズが生まれました。このシステムをスモールスタートとし、ユーザーの声を吸い上げながら構築を行っていく。ノウハウを積み上げていき徐々に拡大することで全社におけるSOAの比率を上げていく。「小さく産んで大きく育てる」ことを目指しました。

なぜCreate!Formを採用したか

Create!Form事例:セガ

今回のシステムにおける帳票ツールにはCreate!Formを選んでいただきました。Create!Formを採用するに至った経緯をお聞かせください。

実はCreate!Formを使うのは今回が初めてではなく、2001年10月から別システムの帳票ツールとして使っています。年末調整に必要な各種控除申告書をイントラネットからPDF出力するためのものです。

PDF出力ツールとしては既に別の帳票ツールが導入されていましたが、開発依頼部門である人事部から「システム導入前に使っていた紙の帳票とそっくり同じにして欲しい」という要求を受けました。しかしそのツールでは帳票に配置する線の数などに制約があったため実現できず、帳票ツールを選び直すことになりました。

検索やセミナーなどで情報を集め、Create!Formを含む3社のツールを採用候補とし、実機で確認した上で比較表を作って検討しました。結果、既存環境への適合性、初期費用、保守費用の価格など、すべての項目に丸がついたこと、2週間の評価期間中に業務に使えるものができてしまうほど「使えるツール」であったことからCreate!Formを採用しました。

今回、SOAでのシステム開発にあたり帳票ツールを選ぶ際には、他の製品との見比べは行わずCreate!Formの採用を決めました。Create!Formは、セガが今回のワークフローシステムの開発で求める帳票ツールの要件を、おおむね満たしていると思ったからです。

SOAでのシステム開発における帳票ツールの要件

Create!Form事例:セガ

「今回のワークフローシステムの開発で求める帳票ツールの要件」とは、どのようなものでしょうか。

要件は以下3点ありました。

1. 「XML対応であること」

XML対応は、SOAの帳票として最低限満たさなくてはならないことです。国際標準規格を満たしているツールで、内部ロジックと分離し疎結合ができるツールであること。

2. 「紙の帳票に近いレイアウトができること」

セガでは「現場の意見を重視する」という企業文化があり、帳票のデザインに関しては、ユーザーからは前回同様細かい要望がありました。「備考欄にはこういうことを書けるようにしてほしい」「罫線の幅はこうしてほしい」「線の太さはこれぐらいで」などかなり細かいものです。こういった要望に応えられる帳票ツールであること。

3. 「価格が手ごろであること」

これについての説明は不要でしょう。

Create!Formを評価する点

Create!Form事例:セガ

今回のシステムに実際に導入してみて、前述の要件に照らし合わせてのCreate!Formの評価点をお聞かせください。

要件に照らし合わせて評価をすると以下のようになります。

1. 「XML対応」

これは問題なくクリアしています。インフォテックとはここ7年ほどのおつきあいがありますが、XML対応やQRコードなど、新しい流れをフォローし、いち早く製品に取り入れようという積極性とスピード感については常々評価しています。

2. 「レイアウトの自由度の高さ」

Create!Formは予測通り、罫線の幅とか太さなどの細かいレイアウトに対応できたため、紙の支払い帳票とほぼ同じものができました。1枚目の最後の項目が長い場合は2枚目には項目が冒頭に来てつながるようにできます。Create!Formは非常にシンプルなツールであるにもかかわらず、こういった複雑なことができるところが評価できます。

3. 「価格」

Create!Formは他製品と比べて価格が手ごろです。今回のように試行錯誤が必要な新たな試みを行う場合には、特にメリットとして感じました。

4. 「PDFの軽さ」

3つの要件に加え、今回改めて実感したのは、Create!FormのPDFの軽さです。容量が小さく表示に必要以上の時間がかからず、データも重くならないため、運用にあたって負荷とならず助かりました。

Create!Formへの要望なども、もしあればお聞かせください。

特にありません。帳票ツールでこれだけできれば十分だと思います。チームの間では「Create!Formを採用してよかった」と言っています。

SOAを使った開発を成功させる秘訣とは

SOAを使った開発は、開発が途中で止まってしまうケースも多いと聞きます。SOAでの開発を成功させる秘訣をお聞かせいただければと思います。

たとえばM&Aによるシステム統合などにSOAを使う場合、限定された目的のためどうしても場当たり的になり、その先の目的がないためそこで止まってしまう。あるいは売らんかなのベンダーの言いなりになって開発を始めたのはいいけれど着地点が見えず、SOAのためのSOAになってしまう、などのケースは確かによく聞きます。

SOAでの開発を行う上では、ビジネス目線を持ち、経営の大きな流れの中で、それを使って何をするのか、何を改善したいのかを明確にし、中期的展望を持って臨むことが最も重要だと考えます。

また、今回の開発が結果を出すことができたのは、以下のステップで行ったことが功を奏していると思っています。

1. 「勉強する」

SOAについてはまずよく勉強をするべきだと思います。SOAとは何なのかを読み違えると、たとえばただエンタープライズサービスバスを入れただけ、それっきりになってしまい、開発はうまくいかないでしょう。

2. 「標準化のルールを決める」

勉強をした上で、どこまでがBPELでどこまでJavaで記述するのかなど、今度は社内の開発標準ルールをきっちり決めていくことが、従来の開発以上に要求されます。そうしなければせっかくの疎結合の良さを生かすことができません。標準ルールは従来の開発以上に強力にしなければなりません。

3. 「スモールスタートで行う」

万一失敗しても火傷しないところから始めること。そして少しずつノウハウをためながら次のステップに移っていくやり方がよいと思います。

インフォテックへの評価

Create!Formの開発元であるインフォテックへの評価をお願いします。

インフォテックは技術サポートが大変しっかりしていて、レスポンスが速いことがいちばん評価できる点です。何か質問を投げると、その日か翌日には必ず何かしらレスポンスがあり、内容についての回答も適切で、問題解決がスムーズに進みます。今後もぜひこれは続けていって欲しいと思います。

今後の期待

セガの今後の展開についてお聞かせ下さい。

今後は長期計画の中で、承認ワークフロー以外のアプリケーションもこの基盤上でじっくり拡張していく予定です。帳票ツールが必要なものに関しては、Create!Formは既にセガの標準ツールという位置づけですから、今後もコンスタントに利用していきたいと思っています。

Create!Form事例:セガ

取材 2008年9月

※弊社は2014年7月1日に関連会社であるインフォテック株式会社と合併し、下記の通り社名を変更致しました。掲載内容は、当時の社名を現在の社名に置き換えておりますが、一部取材当時の情報もございますのでご了承ください。

旧社名:インフォテック・アーキテクツ株式会社
新社名:インフォテック株式会社

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